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幼稚園の劇の発表会。
君は、去年とおんなじ女の子役をえらんだね。
その役をえらんだことをママに教えてくれたとき、君はすごく嬉しそうだった。
ママさんの中には
「男の子なのにね」
って笑う人もいたけれど
でもね、人のことを笑う人のことなんか、気にすることはないんだよ。
だって、役を真剣に選んで
一所懸命にセリフを覚えて
何度も何度も練習をして
一所懸命に演じていた君は
誰よりも、カッコよかったよ。
誰よりも、素敵な笑顔で笑ってたよ。
ママは、君がとても誇らしかったんだ。
男の子が女の子役を演じたらおかしいなんて
一体、誰が決めたんだろうね?
君が選んだんなら、ヘビの役でもカブトムシの役でも。
とびきりかっこいいだろうなと、ママは思うんだよ。
運動会の徒競走も
1番後ろを走りながら、本当に嬉しそうな笑顔で走ってくる君を見ていたら
まちがいなく一等賞だと思ったんだよ。
去年は泣いて声が震えて大きな声援が送れなかったけど
今年はママも、笑って大声で応援できるようになったよ。
劇のあいだに
君が、またママ達の席を振り向いたら
笑って「うん」って、うなずくよ。
ちゃんと、見守ってるよ。
君のがんばってる姿は、世界一。
君が笑ってる姿は、世界一。
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