6歳の頃、自転車に乗れるようになったとき。私の側には両親じゃなくて、社宅の友達が5~6人くらいいたのを覚えている。
支えていた自転車を離してくれて、手放しで乗れるようになった瞬間に、周りの友達が「わーーーーー!!!」って歓声をあげてくれていた。
写真で切り取ったみたいに、あの日のことは色付きで覚えている。
私が幼稚園の頃に3年間住んでいた社宅は、中野ブロードウェイから近いところにあって、ちいさな子どもがとても多かった。都内でも、下町の住宅地のような雰囲気のところだった。
幼稚園から帰ってカバンを玄関に置くと、おやつも食べずに家の外へ飛び出す。
家の外では、常に5~6人の友達が遊んでいた。
友達は幼稚園の友達だけじゃなくて、小学校低学年のお兄ちゃん達もいた。
だから、「帰ってから遊ぼう」って誘い合わなくても、なんとなく外に出ればいつでも友達がいてくれた。
田んぼの田
その頃社宅では、田んぼの田という遊びが大流行していた。
地面に靴で大きな大きな「田」を書いて、じゃんけんで負けた人がオニ。
オニは「田」の線の上しか走ってはいけなくて、逃げる人は「田」の4つの四角の中を線を踏まないように縦横無尽に逃げ回るのだ。オニは逃げ回るみんなをタッチする。タッチしたら、オニを交代する。
これが、シンプルなのに本当に面白かった。
すみっこにいればオニにタッチされる可能性は低いけど、それじゃつまらないから、みんな四角の中をぴょんぴょん移動しながらひたすらに逃げ回る。
もちろん、小学生のお兄ちゃん達には勝てないから、幼稚園生の私達にはハンデをくれていた。小学生は1回のタッチでオニに交代だけど、幼稚園生の私達は3回タッチされたらオニというものだった。
太陽が沈んで暗くなってきたら、お腹が減ったことにようやく気付く。
みんなとバイバイして、泥だらけの服で家に帰る。
お母さんに今日友達と遊んだこと、幼稚園で遊んだこと、たくさん話す。
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*幼稚園であったことを話してくれる毎日。
息子も、ここ最近「今日は幼稚園で何をして遊んだの?」って聞くと
「うーんとね!どんぐり拾った!!」
「あとは~・・ジャングルジム上った!!」
と、その日にあったことを話してくれるようになった。それが、とても嬉しい。
もちろん、服は毎日泥だらけだ。
家の周りに息子と同じ年回りの子は少ないけれど、近くの公園へ行けばお友達がいるからきっと恵まれた環境だ。
息子が通う幼稚園の雰囲気は、私が通っていた幼稚園と本当に似ている。
心ゆくまで走らせてくれて、先生達も園庭で私達と一緒になってずっとずっと駆け回ってくれていた。
年少組の息子の担任の先生は、私が幼稚園の頃大好きだった先生に、少し似ている。
「あの頃はよかった。」って私は思うけど
息子も大きくなったときに「あの頃は良かった。」って、きっと思うんだろな。