お風呂上り。
部屋中にまだ昼間の温度が残っていて、少し蒸し暑い。
まだ、4月の終わりだというのに。
子ども達に薄手のパジャマを着せる。
パジャマを着ると、ふたりともコロコロコロと布団のうえを転がっている。
お風呂のあとの熱がとりきれなくて、寝室の窓をいっぱいに開ける。
4月の夜のひんやりした空気が、ゆったりとまだ熱のこもる部屋に流れ込んでくる。
豆電球のオレンジいろと、ひんやりした空気が混ざり合う。
遠くからがたんごとんがたんごとんと、電車が走る音。
小さくきこえる赤ちゃんの泣き声。
バイクが通り過ぎていく音。
救急車の音。
いろんな音色が外の空気に包まれて、子守唄みたいに聞こえてくる。
しばらくごろんごろん暗闇で転がっていた子ども達も、だんだんと静かになってくる。
息子くんは、頭を私の脇の下にぴったりと当たる角度につけるのが好きだ。
娘ちゃんは、お尻を私の右のお腹の横に付けるのが好きだ。
私は両腕をひろげたポーズのまま、ぼんやりとオレンジいろの天井を眺めている。
娘ちゃんからはまもなく、しゅうしゅうと可愛い寝息が聞こえてきた。
「ねえ、ママ」
息子くんはまだ起きていた。なに?
「ボクは人を好きになれるの?」
え!?
「ボクはそうすけになれるの?」
びっくりした。空耳だった。
息子くんは「崖の上のポニョ」に出てくるそうすけのファンだ。
うん。きっと、なれるんじゃないかな?
「そう?そうすけになれる?」
おやすみ。
「おやすみ」
可愛いいつものおやすみの声が響くと、私も安心する。
しばらくして、息子くんからもしゅうしゅうと元気な寝息が聞こえてきた。
部屋のなかの温度が少しさがってきた。
あやうく瞼を閉じたままにしそうになるのをこじ開けて、窓をそろそろと閉める。
外の風や温度は、私の子育てをいつも支えてくれると、思う。
子ども達が赤ちゃんのときも、寝ぐずりがひどい夜にもベランダに一緒に出るとぴたりと泣き止んだっけ。
オリオン座をみながら、ヨイヨイと赤ちゃんだった子ども達を抱っこしていた。
やっぱり今も、兄弟げんかが始まりそうになるときやぐずぐずモードになりそうなときには、窓を開け放って外の空気をいっぱいに入れる。
家のなかでも外の空気にふれると、それだけでみんな少し気分がよくなる。
明日干すぶんの洗濯機を回そうと、子ども達のずぼんのポケットをひっくり返していると、息子くんのポケットからちいさなダンゴムシが2つでてきた。
おもわず笑った。
私が子どものときにやって、お母さんに怒られたのとおんなじことしてる。
今日のお散歩のときに、ポケットをもぞもぞしていたもんな。
がたんごとんがたんごとん。
今夜ものんびり、パソコンに向かおう。
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