今回は、3000文字チャレンジというTwitterでこぼりたつやさんが主催されている企画に参加させて頂きました!初めてだから、ものすごく緊張します。。
ちょっと赤裸々すぎるかなとか、どこまで書いていいものかなとか、ちょっと探り探りですが題材の「フレグランス」に関する自身の経験を記事にしてみました。良ければ、お時間があるときに読んで頂けると嬉しいです♪
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私が初めて、フレグランスを嗅いだのは17歳の頃。
片想いをしていた、19歳の男の人が付けていたフレグランスの香りだった。
私が通っていた女子校は、部活動が盛んな学校で男勝りな雰囲気の女子がとても多かった。休み時間になれば、学食へ食べ物を買いに皆んな走る走る。
もちろん、私もその中の1人。(笑)
チャイムが鳴ったと同時に友達とスタートダッシュを決め、猛然と学食へポテトを買いに走る。全校生徒の多くが学食へ駆け込むのだから、のんびりと歩いて行っているようでは行列の最後尾となる。行列にぼんやりと並んでいる間に、休み時間は終わってしまうのだ。
そして、昼休みにはラーメンライスの早食い競争が開催されているような、全く色気からは縁遠い学生生活を送っていた。
教室の後ろのロッカーには、ワンピースやスラムダンクの単行本がうず高く積まれ、ここは果たして男子校ではないのかと疑いたくなるような光景が広がっている。朝練のままのジャージ姿で授業を受けている生徒も多かった。色気とは無縁でも、友達と笑い転げて走り回って、小学生みたいに楽しんでいた3年間だった。
だから、少なくとも私の周りではフレグランスの甘い香りを身にまとう女子はいなかったし、(いたとしても、気付いていなかったのかもしれない)部活に全てを注いでいた高校生活では、フレグランスに興味が沸くこともなかった。
だけど、そんな高校生活での初めてのフレグランスの香りとの出会いは、片思いの男の人がまとっていた香りだった。甘くない、でも大人っぽさが漂うスッキリとした上品な香りだったことをとても良く覚えている。
その男の人とは部活の繋がりで知り合い(他校のOB)、その男の人は私の友達のことが好きだった。そして、私がその男の人の相談役になっていた。
笑って話しかけてくれるから、もしかしたら、いつの日か自分のことを好きになってくれる日がくるのかもしれないと、少しばかりずるいことを考えながら相談に乗っていた。
部活帰り。帰り道のサイゼリヤまで来てくれた日。
私は確か、いつも通りにミラノ風ドリアを頼んでメロンソーダばかりおかわりしていたと思う。自分の話しも尽きなくて、時間が止まったみたいにたくさんたくさん話していた。
「車で来たから、家まで送るよ。」と言ってくれて、初めてその男の人が運転する車に乗った。
生まれて初めて、父以外の男の人が運転する車の助手席に座った私は、すっかり舞い上がっていた。その男の人が使っていたフレグランスの淡い香りが、車のなかいっぱいに広がっていて、とても短い時間だったけど私は恋人気分を味わわせてもらっていた。
その直後、友達とその男の人は付き合い始めて、私の恋は言葉にすることも叶うこともなかったけど。
だから、フレグランスは私にとって「大人の人が付けるもの」という印象が強烈に印象に残っていた。
そして、私が自分自身のために初めてフレグランスを購入したのは、高校の卒業間近のとき。Anna Suiのスイ・ドリームというフレグランスで、明るい花を集めたような甘い香りだった。
でも、友人や家族の前でそのフレグランスを付けているのは、なんとなく恥ずかしいような申し訳ないような気がして。夜中にほんの少し手首に付けてみたり、家族がいない日にこっそりと付けて外出したりしていた。
香水を付けることにも慣れ始めた20代の前半に好んで付けていたのは、Vivienne Westwoodのブドワール。
スパイスがやや強めなエキゾチックな香りとでも言うのか、エッジの効いたクセのある香りだった。
ロック寄りの洋服やボーイッシュな洋服ばかりを好んで着ていた時期。ボーイフレンドジーンズを飛び越えて、メンズもののだぶだぶのジーンズを好んで履き、キャップの中に髪の毛を全てしまいこんで被っていた。つまりは、私の中でいろいろと最もとがっていた時期なのかもしれない。(笑)それに、男の子になれたらいいのにと切に願っていた時期でもあった。
そして、20代半ば。
私は趣味の音楽の集まりへ行くために、池袋駅の北口によく訪れていた。池袋駅北口の階段を上がると、目の前に「珈琲専門館 伯爵」という喫茶店がある。
私は、この喫茶店を本当に良く利用していた。店内はややシャビーシックな雰囲気もあり豪華ながら落ち着いているのだが、客層が雑多なのだ。落ち着いた店内の中で商談しているサラリーマンも多いが、海外の人達もとても賑やかに話している。「どんな風に過ごしても大丈夫ですよ」という店の懐の深さを感じる居心地の良さが、とても好きだった。ちなみに、おすすめはレアチーズケーキと珈琲のセットだ。
もしもデートで利用するなら池袋駅では断然、皇琲亭がオススメだ。
皇琲亭は、池袋駅東口を出て横断歩道を渡り、ヤマダ電機の右の路地を進んですぐのところにある。街中の喧騒が嘘のように、やや仄暗い店内では落ち着いて美味しい珈琲をのんびりと飲むことができる。
時間になりスタジオへ向かうため、伯爵を出ていつものようにイヤホンを耳にして歩いていたとき。
爽やかな雰囲気のショートカットの女性が、目の前から走ってきた。
彼女が私のすぐ側を通り過ぎたとき、目が覚めるくらいに搾りたての新鮮なグレープフルーツの香りがした。彼女の顔は全然覚えていないが、フレグランスの香りは鮮明に覚えている。そのショートカットの女性の香水の香りを嗅いだ瞬間に、これだ!と気持ちが弾けていた。
それから、私のグレープフルーツの香りのフレグランス探しの旅は始まった。
探してみても、グレープフルーツのフレグランスには様々な香料が混じっているものが多いが、シングルノートのものがなかなか見つからなかった。シングルノートとは、吹き付けた瞬間からラストノートまで、ただ1種類の香りだけを感じるフレグランスのことだ。
それでも、ようやく近いと感じた香りは、ハウスオブローゼのピンクグレープフルーツの香りのボディコロンだった。
混じりっけのないグレープフルーツ果汁のような、とてもシンプルな香り。
ちなみに、ボディコロンは付けたての頃は爽やかな香りを身にまとえるが、香りが持続しても、15~20分くらいというところ。せめて3時間くらいはもってもらいたいと思うのだが、コロンだとそうもいかない。
でも、電車に乗るときやこれから人に会うとき、仕事に行く前など場面を気にせずに付けられるというところがボディコロンのメリットだといえるだろう。
そして、今最も好んで付けているフレグランスは練り香水だ。
練り香水とは、大きな梅干し1粒くらいのジャーのなかに半固形の香水が入っているタイプのものだ。おそらくもう、8年間くらいいつも側にいてくれている練り香水は、舞妓さんの練り香水「うさぎ饅頭」金木犀(キンモクセイ)の香り。
淡い金木犀の香りを少し手首に乗せると、ふんわりと優しい懐かしい香りがして、とても好きなのだ。練り香水もコロンと同じく20~30分ほどで香りは消えてしまうけど、そのさりげなさが日常に溶け込みやすくて、気に入っている。
既に廃盤になってしまったがLUSHの練り香水「SNOW FAIRY」の香りが本当にお気に入りな香りだった。わたあめのような甘い香りながら、スキっとしたスパイスも同時に感じることができる清涼感のある香りだった。
そして、フレグランスは今もAnna Suiのミニボトルを持っている。
春の花びらみたいな香りが、ぎゅっと詰め込まれた甘い香りのフレグランス。
子ども達と触れ合うときには付けないけれど、夜のパソコン仕事の合間の気分転換などにひっそりと手首に付けてみたりする。これじゃあ、高校生の頃となんにも変わらないのかもしれないと思ったりするけれど。
憧れに近づくための方法として、洋服と合わせた声には出せない自己表現の手段として、ちいさな気分転換にも。生活のなかで決して必要なものではないんだけど、手元にあるとちょっと嬉しい。
フレグランスはこれからも私にとって、憧れのものとして追い続けていくものなんだろう。
これからは、どんなフレグランスの香りに出会うんだろう?
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初めての3000文字チャレンジ、少し長かったかもしれないですが、お読み頂いて本当にありがとうございます。
はーーーーっ!!!なんだか緊張したーーーっ!!!( ̄▽ ̄)w
いつもの調子にしようか、コラム調にしようか迷ったんですが、今回はコラム調に書いてみました。素敵な企画に参加させて頂きまして、本当に良い経験になりました。
3000文字チャレンジを企画された、こぼりたつやさんのサイト↓
http://tatsuya-kobori.com/profiel/
また、是非参加させて頂けると嬉しいです(*’▽’)
では♪
本日もお付き合い頂いて
ありがとうございます(*^^*)