3000文字チャレンジ

納豆。3000文字チャレンジ

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私の生まれ故郷は茨城県です。

茨城県といえば、黄門様に水戸納豆。

 

そして、私の兄の好物は納豆でした。

毎朝、私の隣で兄はわっしわっしと納豆をかき混ぜます。

月曜日も火曜日もそのまた水曜日も。

ズルズルと納豆をすすると、もわ~んとなんともいえない匂いが漂ってくるのが苦手でした。

「納豆くさいなぁ~」と言いながら、私は大好きな卵かけご飯を毎日のように食べていました。

 

 

とてもよく覚えているのは、私が幼稚園児だったとき。

やはり朝に、兄は納豆をくるくるくるとスプーンでかき混ぜていました。

暑い日で、ちゃぶ台の側では扇風機がぶんぶんと回っています。

兄がみょーーーん!と納豆を伸ばしたときに、扇風機はこちらへ向きました。

 

兄は風上、私は風下。

納豆の糸は、ほわーんと私の顔めがけて飛んできました。

「だめだ!やっぱりくさい!!」

そのときは、兄に散々文句を言っていたと思います。それが決定的に納豆が苦手になった瞬間でもありました。

 

 

それから小学生になって、父と母は「体に良いから」と何度か私に納豆を勧めました。

小学生になると「きっと食べれた方が良いものなんだろうな・・」となんとなく思えてくる。

勇気を出して、一粒二粒三粒と食べてみる。

でも、臭いも食感も味も、やっぱり好きにはなれませんでした。

 

 

小学生の頃は毎年夏休みと冬休み、茨城のおばあちゃんの家に泊まりに行くことがすごく楽しみでした。

朝ごはんには、必ず藁に包まれた納豆が出てきます。

「小春は納豆食べないんけ」

「うん。納豆は食べれない」

「こーんな美味しいのにねぇ」

少し寂しそうにするおばあちゃんとの朝のやり取りも、いつもお泊りのたびにお決まりのやりとりになっていました。

 

 

納豆が食べられないまま月日は流れ流れて、私は大人になっていました。

「冷ややっこが大好きなんだから、納豆が食べられなくても大丈夫」

そう思って、生きていました。

 

 

納豆が食べられなくても特別困ることもないまま大人になったある日。

私は26歳になっていて、とある病院の夜勤でした。

病院食がそのまま看護師たちの夕ご飯として提供される病院で、その日の夕飯には納豆が出ました。

 

こりゃ食べられないと、納豆を手に取らなかったんですが先輩ナースが

「あれ、小春は納豆食べないの?」

「納豆食べられないんですよ」

「私も納豆食べられなかったよ~。でもね、キムチ入れると不思議と食べられるよ」

 

キムチ?

納豆に、キムチ?

なぜ??

 

このころはまだ「納豆をカスタマイズする」という手段を知らない頃でした。

納豆といえば、付属の醤油を入れてくるくる混ぜて食べるものというイメージ。

辛いものも苦手だった私は、苦手+苦手が混ぜ合わさったらとんでもないことになるな・・と先輩が混ぜる納豆とキムチを見つめていました。

 

「小春も少しだけ食べてみたら?食べれるようになるかもよ?」

先輩がすすめてくれるままに、私はその混ぜたてのキムチ納豆を一口分だけもらって「えいやー!」と食べてみました。

「あれ?納豆臭くない・・」

「でしょー!納豆の臭さが消えるんだよ。ほら、キムチあげるから食べていいよ」

 

 

私はそのとき初めて、納豆1パックを自分の意志で手に取りました。

先輩が夜勤に持参していたマイキムチを少し拝借して、納豆をぐるぐるぐるとかきまぜます。

しかし、混ぜているときはやっぱり臭い。

顔に飛んできた納豆の糸を思い出しながら、どれくらいかき混ぜればいいのかと思いながら、あんまり力が入らないようにゆるゆると混ぜます。

 

「納豆ってどれくらい混ぜるものなんですか?」

「ぐるぐる混ぜると白い糸が出てくるでしょ?良い具合に白い糸が出たら美味しくなってるよ」

そうかな・・美味しくなるかなァ・・と思いながら、白い糸が出るところまで混ぜてほかほかご飯の上にキムチ納豆を落とします。

 

横では、先輩がこれから納豆に挑む私をじっと見つめながら、キムチ納豆ご飯を食べています。

臭みが消えることはわかっているけど、やっぱりちょっと怖い。

少しずつもそもそと、キムチ納豆ご飯を食べ進めていきます。

 

「ね?食べられるでしょ?」

「食べられますね・・!キムチも納豆も苦手だったのに!!」

詳細は忘れちゃいましたが、確かそんなことを話していました。

私はその日の夜、初めて納豆1パックを綺麗に完食していました。

 

 

そのころは一人暮らしをしていましたが、その夜勤のことを思い出してときどき自分でも納豆を買ってみるようになっていました。

苦手×苦手=案外美味しい

この新しい公式は、それまでの私の苦手な食べ物・食わず嫌いだった食べ物たちを一掃するパワーを持っていました。

 

 

恥ずかしいことに私は、20歳を超えても食べ物の好き嫌いが多かったんです。

でも、その夜にキムチ納豆が食べられたことから、トマト・ピーマン・セロリ・ブロッコリー・オクラにとろろ、にんにくなどなどの苦手な食べ物達を克服するきっかけをもらっていました。

あるいは、この時に味覚ががらりと変わったのか・・?

それくらいのパワーを納豆とキムチは私に与えてくれていました。

 

 

この記事を読んでくださっている人のなかには、もしかしたら私みたいに「納豆の味も臭いも食感も全部だめ」という人もいるかもしれません。

そんな人に、納豆苦手だった私が「食べやすい!美味しい!と思う納豆カスタマイズ」をここにご紹介したいなと思います。

 

「納豆は苦手なんだけど、いつかは克服したいんだよな。健康に良さそうだもんなァ」と思っている方に届くカスタマイズでありますように・・!

 

 

まず、我が家の夏の定番メニューなんですが「ネバネバ三食丼」は最も納豆感が薄れて美味しいメニューです。

ネバネバ三食丼には、納豆・オクラ・トロロが乗ります。

できればそこにマグロのお刺身にぽっちりのワサビ醤油も乗せてみてください。

真夏の溶けてしまいそうな気温の日に(埼玉なら40度近い日ですね)このネバネバ三食丼を食べれば心も体もパワーが充電されます!

 

 

本当に納豆が苦手なら、納豆の割合は少なめから始めてみるとかなり食べやすくなります。

オクラとトロロのとろとろねばねば感に、納豆が隠れてしまいますよ。

 

 

今はもう納豆単品でも美味しく食べられるんですが、キムチ納豆に頼っていた頃はカスタマイズ納豆でなければ食べられませんでした。

その時期にすごくはまったのがネバネバ三食丼です。

 

 

あと、最近ものすごくハマっていて力強くおすすめしたいのは、クラッシュアーモンドすりごま入りの納豆。

ふりかけみたいなパッケージで販売されているんですが、クラッシュアーモンドすりごまは納豆だけではなくサラダや冷ややっこ、おひたし、野菜炒めなんかにかけてもなんでも美味しくしてくれますよ。

もちろん、納豆にかければアーモンドのカリカリ感とごまの香ばし感が、納豆独特の臭い・味・食感をとても上手に隠してくれます。

 

 

そう!

あと、練り梅と青じそのチューブがあるんですけど、それをぽっちりと納豆に落として食べても本当~~に美味しいです。

夏は「これこれこれ!」と思いながら、練り梅と青じそチューブを使って納豆を食べています。(ウドンやそうめんに付けて食べても美味しいですよ~)

梅の酸っぱさや青じその良い風味が、納豆をあっさりさっぱり美味しくしてくれるんです。

 

 

あと、混ぜるだけの簡単カスタマイズで断然おすすめなのは、しらす。

塩味があるので、納豆がかなり食べやすい味わいになります。

ちなみに子どもうけがいいな~と思っているのは、納豆×クラッシュアーモンドすりごまと納豆×しらすの組み合わせです。

 

 

納豆をこれから克服したいんだ!と思っている人にとって、お気に入りのカスタマイズ方法が見つかりますように・・!

 

* * * * *

 

今回参加させて頂いたのは3000文字チャレンジなんですが、ホントは文字数に制限のないさんぜん文字チャレンジに出したいなと思って、書き始めた記事でした。

でも、いろんな思い出の詰まった納豆について書き始めたら、気付けば3000文字突破していました。

3000文字チャレンジ:https://twitter.com/challenge_3000

さんぜん文字チャレンジ:https://twitter.com/nakano3000

今回も参加させて頂いて、ホントにありがとうございました!

 

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