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ミステリー小説【扉は閉ざされたまま】を読んで。

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3000文字チャレンジャー仲間の音島シンさん@shin_otojima)が少し前にブログでご紹介されていたミステリー小説【扉は閉ざされたまま】↓

https://shin-note.com/usuiyuka-tobira/

シンさんのレビューを読んでから、気になって気になって仕方が無かったんです。

 

 

もう、ミステリー小説は本当に大好きなんです。

自分が推理して、犯人が当たった試しなんて一度も無い!

これは・・!と思う謎解きだって、一度もかすったことはない。

 

私の陳腐な推理がものの見事にひっくり返される快感。ラストへと猛烈な勢いで引っ張り込まれる物語の力に、抗えなくなった時のなんともいえない気持ち。

だから、ミステリー小説が大好きなんです。

 

この物語は、犯行現場の描写からスタートする話です。

つまり、犯人が誰かを一番始めに知らされる物語。

このタイプのミステリー小説は初めてな気がするなぁと思いながら、昨夜、約3分の1ほど読み進めていました。

 

しかし、面白いミステリー小説は「もう終わりまで読んでしまわなければ気が済まない!」という気持ちになるんですよね。

そんなわけで、2日目の今日ですっきりと読了しました。

 

 

まだ、興奮冷めやらないまま、久しぶりの読書感想文を書きたいと思います。

感想を書こうと思うとネタバレ要素も含んでしまうところがあるので「読むまでのお楽しみにしておきたい!」と思うミステリーファンの方は、是非小説を読んでからまた戻ってきてくださいね~◎

扉は閉ざされたまま/石持浅海

おおまかなあらすじを説明すると、大学の同窓会が友人の兄の邸宅で行われて、そこが事件現場になるというものです。

主人公(犯人)は同窓会の最中に密室殺人を決行し、なんとか現場が見られることを遅らせるように仕向けます。

 

登場人物達のなかでも素晴らしく勘が良く洞察力が鋭い魅力的な女性、優佳なのですが、私が読み進めているうちに気になったことは「一体どの段階から、主人公を疑い、被害者がもう救われない状態だと察したんだろう」ということです。

 

読み進めていけば、徐々に優佳が犯人に対して疑念を抱いていることはわかるんです。

でも。

私がそれをうっすらと察知する、もっともっと前から、きっと優佳という人物は小さな引っかかりを感じていたんだろうな・・・とそのことがすごく気になったんです。

 

できれば、この物語を犯人視点ではなく「優佳視点」で丸々読み直したいと思うくらい。

 

 

常にリーダーシップがあった主人公は、なぜこの不可解な状況で判断を周りに委ねてばかりいるのか?消極的な発言ばかりを繰り返すのか?

恐らく、優佳は早い段階で「何かが違う」と感じていたはず。

ストーリーを読めば感じることですが、主人公と優佳はお互いに少なからず思いを寄せていた。観察眼が鋭い優佳なら、思いを寄せた男性の表情や仕草の違和感を、無意識のうちにキャッチすることも可能だろうなぁ、と。

 

 

シンさんもブログ内に書かれていますが

ラストの大きな判断を、優佳は2人きりの部屋で主人公に委ねます。

唯一真相に辿りついた自分を、このまま自分のものにすることも口封じにすることもできると。

 

ここを読み進めていても、大きな疑問が残る。

ナイフを手にしたまま、主人公への「好き」の想いは本当に残っていたんだろうか?ということ。

ラストのその後も気になるけれど、私にとってはそのときの優佳の心情が何よりも気になる。

 

 

読書感想文といいながら、碓氷優佳のことばっかりになってしまっているんですが、それぐらい魅力的でキャラクターが強い人物なんです。

女性が主人公となるミステリー小説といえば、誉田哲也さんの姫川玲子シリーズを思い出しますが、姫川シリーズが「動」ならば碓氷シリーズは「静」といったイメージ。

 

でも、静のなかに、怖さがある。

 

日本的な怖さとでもいうのか・・・推理で追い詰められているのがいつの間にか犯人ではなく自分自身のようにも感じていて、背中がひやりと冷たくなります。

 

いろんなミステリー小説をこれまでに読んできましたが、ここまで静かで物語が動かない、冷静な推理合戦が繰り広げられる小説は読んだことが無かったなと感じていました。

多くのミステリー小説の場合、次々に事件が巻き起こり、犯人は誰か!伏線はどこに潜んでいるのか・・!と急展開に振り回されながらラストまでたどり着くことになります。

 

 

でも、このミステリー小説は違う。

すでに動かしようのないものがあって、その周りで優佳というキーパーソンが動かしがたいものをこじ開け、圧倒的な推理力で車輪を動かし、話を突き進めていく物語。

場面転換が少なくとも、登場人物の感情やセリフだけで、物語のスピード感は後半に一気に力強さを増します。

 

 

石持浅海さんが手掛けた「碓氷優佳シリーズ」は、この「扉が閉ざされたまま」の他にも・・・

  1. 君の望む死に方
  2. 彼女が追ってくる
  3. わたしたちが少女と呼ばれていた頃
  4. 賛美せよ、と成功は言った

が出版されています。

 

読みたくなる・・・!

碓氷優佳シリーズ。どうしたって、読みたくなる。

久しぶりに熱中できるミステリー小説に出会えて、シンさんに感謝するばかりです!ありがとうございます~!!(*’▽’)

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