小学生くらいのころ、大好きだった漫画に「ご近所物語」という漫画がありました。
矢沢あいさんが作者で、映画化された「NANA」や「天使なんかじゃない」も有名ですよね。
矢沢あいさんの作品のなかでも、私は「ご近所物語」が一番好きです。
「ご近所物語」は、服飾の専門学校に通う美果子(主人公)が、仲間と一緒に成長しながら自身の洋服のブランドを立ち上げていくストーリーです。
美果子の中学生時代の話しで、美果子は元気がでるくすりとして「こんぺいとう」を食べていました。
今、もう漫画が手元になくてあやふやにしか思い出せないんですが・・・(細かいところが間違っていたらすみません。。)
小さなころにツトム(美果子の幼馴染)が「星がほしい」と言った美果子のために、プレゼントするための星を探しまわりました。
でも、まだお金がなくてきらきらしたもの(アクセサリーを星と見立てて買いたかった)が買えなかったツトムは、こんぺいとうが星みたいだからという理由でプレゼントに選びました。
きれいな星をプレゼントできないと落ち込んでいるツトムに、美果子のお父さんが「君が星だというんなら、それは星にもなるんだよ」といって、こんぺいとうの瓶に「おくすり」とラベルを貼って、美果子へ渡します。
思春期になってからも美果子はそのこんぺいとうの瓶を大切に持っていて、自分でこんぺいとうを足しながら「おくすり」として食べていました。
お腹が痛いときにそのこんぺいとうの「おくすり」を食べると、本当にお腹が痛いのが良くなる・・・という内容だったと思います。
ちなみに、これはプラシーボ効果というものです。
精神病院では、「眠れません」という入院患者さんに「とってもよく眠れる眠剤ですよ」とお薬を出します。
そのお薬は実際には眠剤ではなくて、プラセボと呼ばれる偽薬です。(もちろん、不眠症がひどい人にはきちんと眠剤が処方されます)
プラセボには、乳糖というお薬にそっくりの身体に害のない粉が使用されています。
「よく眠れるお薬なら、これを飲めば大丈夫」と患者さんも自己暗示を多少はかけながらプラセボと知らずに飲むので、ぐっすりと朝まで入眠できる人が多いんです。
本当の薬じゃないのに、自分にとって元気がでるおまじないみたいな「おくすり」
今回の3000文字チャレンジの題材でもあるんですが、私にとっての「おくすり」って何だろう?って考えてみました。
考えてみて、ストンと落ちてきたのが「文字を書くこと」って私にとってすごく身近な「おくすり」です。
もちろん、こうやってパソコンなどで自分の想いを文章に書き起こすこともそうなんですが、「紙に自分の文字を書くこと」をすると不思議なくらいに落ち着くんです。
カレンダーでも良いし、メモの走り書きでも良いし、息子くんとのお絵描きのときでも良い。
だから、先日の記事で挙げたトラベラーズノートや文房具もやっぱり、私のなかではすごく特別な「おくすり」なんです。
書道を習っていたわけではないので、文字は決して上手くありません。
いわゆる、丸文字です。自分で、字がちょっと下手だなって思うときもあります。
結婚式などに出席して自分の名前を書くときや、筆ペンで年賀状の宛名を書くときにはちょっと恥ずかしいなって思うこともあります。
でも、私は自分が描く文字が好きだったりもしています。ちょっと下手だけど、なかなか文字に愛嬌があるかもしれない、と。
学生時代は勉強よりも、「ノートを書くこと」がすごく好きでした。
文房具屋さんで、まっさらなノートを買うときには胸が高鳴っていたなぁと感じます。それは今もおんなじなんですが。
どの授業のなかでも一番真剣だったのが「ノートをどう作るか・どう書くか」っていうことでした。
タイトルはどれくらいの大きさの文字にしたら見やすいのか、カラーペンは何色を使えばノートが綺麗に見えるのか、図形はノートのどこに配置するのか・・・。
授業中は、そんなことばかり考えていたような気がします。
ノートに教科書の挿絵を模写することもすごく好きで、理科の時間にはミトコンドリアをやたらとリアルに模写して、「うまく描けた!」と満足感に浸っていました。
あと、私は元ぽんこつナースです。
ナースであることをほとんど公開していなかった理由が、あんまり頭が良くないナースだったからです。(Twitterのひょんな話題から、カミングアウトしてもよいかな・・と思えました。もたろうさん、ありがとうございます!)
覚えたことを、どんどん忘れてしまう。
難しい知識を、なかなか覚えられない。
だから、ナースとして勤務していたときはメモ魔だったなぁ〜とホントに思います。覚えが悪く、先輩ナースからもよくお叱りを受けていました。
患者さんの体調を書くプリントなどを挟む盤には、いつもすごい量のメモがびっちりと貼ってありました。
書くことで安心感にも繋がっていたのかもしれないなって、今になって思うことです。
そして
もう1つの私にとっての「おくすり」
それは、フリルやレースの付いた可愛い洋服達です。
今回のアイキャッチに使っている洋服が、そうです。
以前には、パニエを仕込んで着るようなクラシカルロリィタと呼ばれるものを好んで着ていました。くまさんや童話柄が描かれた、フリルがたっぷりと仕込まれたワンピース達。
諸事情でそれらの高価なロリィタ服は全て手放してしまいましたが、以前に買い集めていたカジュアルロリィタは今も好んで着ています。
しかし、もちろん自覚はしているんですがカジュアルロリィタでもフリルやレースの付いている洋服はなぜか目立ちやすいんですよね。
そして、あんまりそういった洋服を好まない人が一定数いることも、もちろん知っています。
だから、幼稚園などへ行くとき・フリルやレースの洋服を好まないお友達に会うときには一切着ていきません。実家へ行くときにも、フリルやレースはかなり控えめの洋服を選びます。
幼稚園のママさん達は、制服なんじゃないかな?と思えるくらい、無地・ボーダー・チェックの3種類の洋服しか着ていません。
なぜなんだろう?
ママさんたちは柄物の洋服は、なぜ着ないんだろう・・。
小花柄なら許されるだろうか・・と着て行ったときもありましたが、たくさんのお母さん方から洋服を凝視されているのがわかりました。
これでは、私も中学生のときの美果子とおんなじだな、と思った瞬間でもありました。
中学生で髪を金髪に染め上げて口紅をして、クラスメイト全員から遠巻きに見られていた美果子。
でも、私は美果子でも中学生でもないので、はりきって個性を強調する必要もないわけで。
しかし、まぁメリーゴーラウンド柄ではないし小花柄なら良いか・・と着ていくうちに、お母さん方も慣れてくださったようです。
だから、幼稚園に行かない休みの日、私はフリルやレースの付いた洋服を少しだけカジュアルダウンして着ています。
知り合いのなかには、私のフリルのついた洋服を見て
「まだ、そんなの着ているの?」という人もいましたが、その人にとっては「そんなの」でも、私にとっては大切な「おくすり」なので。
好きだから着るというのも、もちろんあるんですが・・・
シンプル・カジュアルな洋服を着たときには一切湧き上がらない
心がふんわり包まれるような、温かな優しいホルモンが湧き上がってくるというか・・・
すごく不思議なんですけど、本当におくすりの役目もあるなぁと思っているんです。
私にとってのプラセボなのかな?
美果子が体現していたように
洋服は、自分自身を表現したり励ましたりする手段にもなり得るもので。
目立ってしまうこと・知らない人から指を指されること・知り合いから「そんなの」と言われても
それは、全然大した問題ではなくて。
身に纏うものは
女性にとって、戦場で火の粉から自分の身を守ってくれる鋼の盾にも、ピンチのときに切れ味鋭い刃にもなり得るし
自分自身を優しく温かく、くるむための毛布みたいな存在にもなり得るし
言葉ではとても表現できない、内面を映し出す鏡にもなるものなんだな、と。
そんなことを、大好きなお洋服を着るときには考えています。
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先週はお休みしましたが、今週も楽しみながらこぼりさん主催の3000文字チャレンジに挑戦させて頂きました(*^^)v
好きなものにまっすぐに生きること
とことんまで、やってみること。
子ども達にも伝えていきたいなって思っていることです。
長くなりましたが
今日もお付き合い頂いて
ありがとうございます(*´꒳`*)