本・雑誌

カタカナが苦手な人がミステリー「十角館の殺人」を読むとこうなる。

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こんばんは!小春です(*’▽’)

ド~ルチェア~ンド ガッバーナ~~♪

最近ようやく「香水」を覚えました。でも、覚えると、この曲はずっと頭のなかから離れなくなりますね…。ずっと頭のなかが、ドルチェアンドガッバーナになっている日々です。

 

さてさて!

読書会仲間の音島シンさんから教えて頂いた「十角館の殺人」先日読了しました〜。

ミステリー小説【扉は閉ざされたまま】を読んで。 3000文字チャレンジャー仲間の音島シンさん(@shin_otojima)が少し前にブログでご紹介されていたミステリー小説【扉は...

↑以前、シンさんからおすすめ頂いたミステリー小説はこちら!

 

8月頭からゆるゆると読み始めていたんですが、どうにも始めのあたりはエンジンがかからず。

とうとうミステリーエンジンがかかったのが3日前。夜中に200ページほど一気読み。

そして2日前、残りの300ページを一気読み。

 

後半は、やっぱり本から手が離せなかった。

勢いに任せてビュンビュンと読んだので、登場人物達を把握することが中途半端なまま読み進めてしまっていました。

 

そのおかげで、一番のどんでん返しの部分で「ちょっと待って!誰だっけ!?少し戻って…」とわたわたしてしまっていたのでした。( ̄▽ ̄)

(なるべくネタバレしないように書きますが「これから読みたい!」と思う人は、先に小説を読まれることをおすすめします★)

 

 

この「十角館の殺人」を読んで感じていたことは「金田一少年の事件簿に空気感が似ているな…」ということ。

金田一少年の事件簿なら、ほとんどは「金田一君目線」で物語は展開されていくわけなんです。でも、この本は話が進むときに物語の語り手となるような「主人公」はいないんです。登場人物達を俯瞰してみるような「第三者目線」で物語は展開していきます。

 

この小説では事件に巻き込まれるミステリー研究会のメンバーが「9人」登場します。

しかも、島と本土とに舞台は別れて、同時進行で物語は進んでいきます。

島に上陸しているメンバーは「7人」で本土にいるメンバーが「2人」。

 

 

全員が、ミステリー界でも有名な著者の名前を借り、カタカナの名前で互いを呼び合います。

これが始めのうちは頭が混乱してしまう要素の1つでした。本の中に出てくるカタカナの名前がどうにも苦手なんです。

 

 

主人公がいれば「このキャラクターはこんな特徴があって、こんな性格で・・」とよりイメージしやすいよう具体的に提示してくれることが多いけれど…。

だから、ラストあたりまで、本土にいる二人以外は男性陣の顔がのっぺらぼうだったんです。

女性メンバーは2人だけ、美人さんのアガサに引っ込み思案なオルツィ。この2人はイメージが湧きやすい人物です。でも、男性陣をイメージすることが難しい。

 

いつもなら、登場人物の顔はわりかしくっきりと想像できるんです。

そして、小説を読み進めるにつれて、登場人物達は頭のなかでリアルに勝手に動きだしてくれる。だから、ページをめくる手は先へ先へと、どんどん速くなる。

それが、今回はなかなか登場人物達はリアル感をもって動き出してはくれなかった。

 

 

私の読解力が無いためですね・・・。

そして、本の中のカタカナの名前に苦手意識があるせい。高校生のときの世界史のテストが3点だったなんて、とても言えない。

ジェットコースターみたいな成績だな、と高校生のとき担任の先生からもいわれました。良いものはぼちぼちと良かったけれど、苦手なものは救いようがなかった。

さてさて。思い出話から戻りまして・・・( ̄▽ ̄)

 

 

ようやく登場人物達が頭のなかでリアルに活き活きと動きだしてくれたのは、アガサが口紅を塗ろうとしたシーンあたりからです。

そして、本のなかでようやく「主人公」目線となるのは、冒頭の短い時間と、物語のラストともいえる第十二章八日目です。このときの目線は、すでに犯人による独白のような展開へと移行します。

 

 

 

恐ろしいミステリー小説なのに、読み終わった後にクエスチョンがとても多かった。

そして、そのクエスチョンの答えを確かめにいかずにはいられなかった。

 

読み終わったばかりだというのに、2回目をすぐに読み返しているミステリー小説はこれが初めてかもしれないです。

あの登場人物はどんなキャラクターだったっけ?

最後に出てくるアイテムは一体いつ登場したんだっけ?

なぜ、あの人は気付いたのか?

今、ゆっくりとそのクエスチョンを拾うために、じっくりと読んでいるところです。多分この小説は、これからも何度となく読み返したくなるミステリー小説なんだろうなと感じます。

 

 

薄暗い十角館の屋敷。

仲間が次々と命を落としてしまい、その亡骸と共に同じ屋根の下で過ごさなければならない数日間。

互いが疑心暗鬼になるミステリー研究会のメンバー達。

 

夜中に読んでいたんですが、背中がひんやりとする。意味もなく、背後を確認してしまう…。

 

十角館の図解もあるため、場面のイメージが湧きやすいんです。

物語の中盤ほどではすっかり「金田一少年」のイメージになっており、どこにトリックが隠されているんだ?とそればかりが気にかかるようになりました。伏線はどこかに張られていたんだろうか?と。

 

 

でも、違うんですよね。

犯人にとっては、順番はどうでもよかった。

アウトラインを描いておくだけで、何かを変に取り繕う必要もない。

 

メンバー達が青酸カリなどが仕込まれた時限爆弾を抱えている日用品をどのタイミングで使おうとも、さして問題はない。

最後には、誰も居なくなるのだから。

そして、その順番さえどうでもよくなるよう、シナリオが組まれていたのだから。

 

とても優れたミステリー小説なのに、これまで「十角館の殺人」は実写化はされていません。

それこそが最大のトリックです。

こんなにも文章を味方につける技法があったんだな…と驚くばかり。

 

 

このミステリーを読了して最も驚いたことは、1987年に執筆された作品だということです。てっきり、最近執筆された小説なのかな?と読みながら感じていたので。

それくらい、勢いがあって瑞々しくて、恐ろしい。

それが、本の良さなのかもしれないなァって、今回のミステリー小説を読んでしみじみと感じていました。全くといっていいくらいに、古さを感じない。それに、とっても読みやすい。

 

 

だけどホントのところは、十角館という屋敷の形をトリックに組み込むことを心のなかで期待していたんです。

1日ごとにメンバー達の部屋が入れ替わっていた!とか。本当は1部屋多くて11角館だったー!とか。やっぱり、そう考えると金田一少年の事件簿を読みすぎなんですかね…。

 

 

ライターの文章術のような本で、ミステリーのようなストーリーがあったら面白いだろうなァと思う。

それでは、ミステリー小説になってしまうか・・(;’∀’)

 

 

酷暑にぴったりの、本当に怖いミステリー小説。

ラストに向かう最中、背中のぞくぞくが止まらなかったです。

ミステリー好きな方はきっと読まれている人が多いかと思いますが、心から面白かった一冊なので是非ぜひ手にとって読んでみてくださいね(*’▽’)

 

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